コラム

 公開日: 2018-03-19 

日本いぶしが考える、屋根と地震。

こんにちは。日本いぶしの屋根リフォームです!

3月初旬にOB様へニュースレター124便をお送りいたしました。2018年春号のテーマは「地震と屋根」。124便の中だけでは収まりきらなかったので、加筆したものをこちらに公開します。長くなりますがお時間があります時にぜひ読んでください。

地震と屋根

2011年3月、東日本大震災。2016年4月、熊本地震。この狭い島国で、10年以内に2度も最大震度7の地震が起き、多くの家屋が倒壊・崩壊しました。(写真:キロクマ!様)

ここ東海地方も他人事ではありません。大きな地震が来ても崩れない家にするには、どうしたらいいのでしょうか。

瓦は重いから家を潰す?

瓦屋根で心配されるのはやはりその重さです。焼き物ですから重さがあります。日本瓦は1枚2.8kg。1㎡あたり約45kgになります。例えば板金屋根材のセネターは1㎡あたりの重さが約7kgですから、その違いは歴然です。
また、日本木造耐震補強事業者協同組合(木耐協)の調査では、屋根材が重くなるほど建物の耐震性が低くなるという結果が発表されており、軽さを重視して瓦以外の屋根材を選ばれる方もいらっしゃいます。

しかし、崩れない家に一番大切なのは建物自体の強さです。

建物が地震によって受ける力を地震力といいます。建築基準法では、木造住宅の場合、重い屋根(粘土瓦・セメント瓦)と軽い屋根(化粧スレート・金属)に分け、地震力に対する壁量(耐力壁※外からの力に抵抗することができる壁)を計算します。
つまり、設計時にあらかじめ屋根の重さに合わせて建物の強度を設定してあるので、瓦が重いから潰れる、と言ってしまうのはちょっと乱暴なのです。

倒壊する家・しない家

2005年に独立行政法人 防災科学技術研究所が、耐震補強をした家としていない家の下で、阪神淡路大震災と同じ震度7クラスの揺れを起こし、その耐震性を比較する実験を行いました。どちらも瓦屋根で、重さも同じです。
その結果、耐震補強をしていない家は倒壊し(写真右)、補強済の家は損傷はあるものの、倒壊しませんでした。(写真左)
(写真:愛知県陶器瓦工業組合さま)

このことからわかる通り、瓦屋根だから倒壊の危険性があるわけはありません。建物の強度が不十分であれば、軽い板金屋根でも倒壊する可能性があるのです。

ここでもうひとつ大切なことは、どちらの屋根瓦も落ちていないこと。この屋根は2棟ともガイドライン工法という、耐震仕様の施工方法を採用しています。

※ガイドライン工法は、一般社団法人 全日本瓦工事業連盟をはじめとした団体が作成した「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」に沿った、自然災害に負けない屋根づくりを目指した工法です。

屋根の地震対策

屋根の地震対策として、まず土葺きのお家は引掛け桟葺きに葺き直すor葺き替えることをおすすめします。築年数が40年前後経過している瓦屋根のお家は、土葺きである可能性が高いです。土葺き工法は土で瓦を固定していますが、経年によって土が乾き、固定する役目を果たせなくなっていることがよくあります。その場合、瓦は屋根に乗っているだけの状態なので、大きな地震がくると揺れに耐えられず滑り落ちてしまうのです。また、土をおろすだけでも屋根はとても軽くなります。

ふたつめの対策は、耐震棟にすること。屋根で地震力に一番弱いのは棟です。崩れやすい棟に対応するのが耐震棟工事。棟金具というものを棟瓦の下に入れ、のし瓦や冠瓦をがっちり固定します。これによって地震の揺れにも負けません。全部を葺き替えるのは金銭的な負担が大きいですが、棟だけでも耐震工事をしておくと安心です。※近年の洋瓦は棟金具が標準施工されています

耐震診断を受けましょう

今回屋根の耐震の話をさせて頂きましたが、先に申し上げた通り一番重要なのは建物の強度です。これまでの地震で倒壊・崩壊したお家で圧倒的に多いのは、旧耐震基準の1980年(昭和55年)以前に建てられたお家です。
国土交通省国土技術政策総合研究所が行った熊本地震における建築物被害の調査によると、旧耐震基準の木造住宅の倒壊率が28.2%と、とても大きかったという結果が出ています。(新耐震基準の倒壊率は8.7%)
熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会

築約40年以上経過しているお家は、一度耐震診断を受けられることをお勧めいたします。
岐阜県では、全ての市町村で無料もしくは補助を受けて耐震診断を受けることができますので、自治体に相談してみてはいかがでしょうか。→耐震化への支援(補助など)

今、どこでどのような災害が起きるわかりません。できることから少しずつ備えておきましょう。

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職人 野々村将任

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