コラム

 公開日: 2016-10-09 

106万円の壁

今月から、従業員501人以上の会社で働くパートの方については、年収106万円以上であれば社会保険に加入することになります。これまで年収130万円以上を社会保険加入の条件としていましたから、大幅な条件「引き下げ」となります。

これにより、パートで働く主婦のケースで、家計がどう変化するのか考えてみたいと思います。

これまで、夫の扶養の範囲で働くパートの主婦(以下「妻」といいます。)は、いわゆる103万円の壁を意識しながら働いてきました。年収103万円であれば、社会保険に加入する必要はありませんし、給与所得控除65万円と基礎控除38万円を差し引くと課税所得が0となり、本人が納税すべき税金もなかったからです。(住民税については、基礎控除が33万円なので、課税所得が5万円となり、それに対し10%の納税義務が生じますが、今回は住民税については考えずに試算します。)

また夫は、妻が給与収入103万円以下であれば、38万円の配偶者控除が受けられますから節税になりました。所得税率20%の夫であれば、76,000円の節税効果となります。

つまり妻の年収103万円と夫の節税76,000円、合計1,106,000円が家計の純増益ということです。

しかし、この秋より年収がわずか3万円上がるだけで、妻は夫の扶養をはずれ自分で社会保険料を負担することになります。その金額はご承知の通り給与額の約15%ですから、家計に与えるインパクトはかなり大きいといえます。

例えば110万円の年収になったら家計はどう変わるのでしょうか?

社会保険料は約15%ですから165,000円です。年収110万円の給与所得控除は65万円で基礎控除が38万円、社会保険料控除165,000円となり、課税所得は0円、つまり所得税の支払い義務は発生しません。

このケースであれば、夫が受けていた配偶者控除はそのまま適用ですから夫の節税額は変わらず76,000円です。

しかし家計全体でみると、社会保険料負担分のみ手取りが減りますから、ちょっと働く意欲という意味ではモチベーションがわきにくいでしょうね。

では、もうちょっと頑張って、パート年収150万円になったらどうでしょう?社会保険料の負担は225,000円です。給与所得控除は65万円と変わりませんから、課税所得は245,000円となります。所得税は5%の負担率ですから12,250円の支払いとなります。

また夫の方も配偶者控除はなくなり配偶者特別控除となります。その額は18万円ですから、先ほど同様所得税率20%とすると節税効果は36,000円となります。

つまり、妻の手取りは1,262,750円、夫の税の戻りが36,000円、合計1,298,750円が、妻が今まで以上の年収を得て働いたことで潤った家計分となります。

103万円の時の家計収入と比較すると年間192,750円も多くお金が手元に残っているので、これは間違いなくプラスですね。でも年間で47万円分も多く働いて、純増が20万円弱だと、これもまた微妙な数字です。

きっと手取りの増減だけを見てしまうと、パートタイマーとして社会保険に加入するメリットはなかなか理解が進まないのではないかと思っています。特に、今支払っている給与の15%もの社会保険料が、実際に自分の暮らしをどう守っているのかを知らない方も多いからです。

できれば、社会保険加入をきっかけに、第三号被保険者でいた場合の公的保険と第二号被保険者になった場合の公的保険の給付の違いをしっかり知っていただければ幸いです。

この記事を書いたプロ

株式会社保険パートナー [ホームページ]

保険コンサルタント 齋藤健太郎

岐阜県可児市広見五丁目86番地 アントレG306 [地図]
TEL:0574-49-8725

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
求人情報
イメージ

当社では、当社の中核を担って頂ける営業社員を募集しております。保険の営業と聞きますと、『ノルマが厳しそう』『歩合給だから生活が不安定になりそう』『知り合い...

 
このプロの紹介記事
齋藤健太郎 さいとうけんたろう

地元・可児に根付く!お客様の安心を守る、保険のパートナー(1/3)

 「保険は難しそうな印象がありますよね。商品が多くあって何を選んでいいのか分からないという声もあるでしょうし、法律や制度など社会の状況によって変わっていくため、理解しづらい点もあるでしょう。私はみなさんに保険をもっと身近に感じてもらえるよう...

齋藤健太郎プロに相談してみよう!

ぎふチャン マイベストプロ

可児出身の保険のプロが「暮らしの安心」をトータルにカバー

会社名 : 株式会社保険パートナー
住所 : 岐阜県可児市広見五丁目86番地 アントレG306 [地図]
TEL : 0574-49-8725

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

0574-49-8725

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

齋藤健太郎(さいとうけんたろう)

株式会社保険パートナー

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
小さなお子様の怪我に備えて

こんにちは。先日、子どもが階段から落ちておでこから出血・・・成長は嬉しいのですが、ケガの心配も増えていき...

[ 情報発信 ]

高齢者の自動車事故
イメージ

ここ最近、高齢者の交通事故についてニュースでよく報道されますね。しかも、人の命がかかわるような大きな事故...

[ 情報発信 ]

ご家族で補償が重複していませんか?

こんにちは。すっかり寒くなってきましたね。今年は寒暖の差が激しく、衣替えに困った方も多くいらっしゃると思...

[ 保険見直し ]

後悔・・・・

こんにちは!!小林麻央さんがブログを開設しましたね。乳がんの発表以来お姿を拝見してませんでしたので、ご本...

[ 生命保険 ]

防災の日

残暑厳しい日が続きますが、朝晩はだいぶ過ごしやすくなりましたね。さて、昨日9/1は防災の日。昨日は政府が南海...

[ 情報発信 ]

コラム一覧を見る

人気のコラムTOP5
スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ